2012年12月2日日曜日
Come On, Stop Making Me Out To Be A Fool !
[Acousphere Shige's Note]
今回は「怒った語調で英語を話すとリズム的にどんな現象がおこるのだろう?」ということについて研究してみました。
文章の意味は「おいおい、オイラを小馬鹿にするのもほどほどにしな!」という意味で、悪ノリする仲間達にぴしゃっと言い放つ時に役立つ(?)フレーズです。
これを今井先生に少々語気を荒げて何回か発音していただきました。
「これは演技力がいりますねえ」といいながら演劇部顔負けの発音を繰り返していただいた今井先生に感謝です。
上の譜例1段が今井先生のオリジナルの符割りです。
整然と4/4拍子の16分音符の中に収まってるようにみえますが、音楽的な強弱のアクセントと英語のアクセントがずれています。
4拍目の頭の強拍に弱い発音である「To」が来ていたりして、僕の耳には心地よい音楽には聞こえませんでした。
無理矢理音楽的に解釈しようとすると16分音符の6連符が続く楽譜になるという感じでしたが、いずれにせよ難解な音楽にしか聞こえません。
もしかすると難解な音楽という定義もできるのかもしれませんが、音楽が誰の耳にも音楽らしく響くには整数倍のポップな響きが必要だと考えるので、今回は音楽的な要素が少ない構文と定義します。
ここまでの考察でわかったことは以下です。
・怒った語気で話すと早口になる傾向がある。
・単語と単語の隙間を最低限の休符(16分休符)にして言葉を畳み掛けてくるのが怒りの表現の一面。
・音楽的なリズムを構成する気持ちの余裕が出ないので音楽的に整理されない符割りになる。
・音楽的に整理されていないことが怒りやフラストレーションにみられるリズミックな兆候である。
・気持ちが落ち着いて穏やかな人は音楽的なリズムをもって楽曲のように話している。
・楽曲のように整数倍で整理され、適度な休符を含む発音はわかりやすくききやすい。
今回の実験でも人のコミュニケーションに潜む音楽の力について気がつかされた所が多かったように思います。
これをふまえた上で、このままのリズムで発音し練習するのは困難なので、フレーズ毎のリズムを重視して音楽的に再構築した譜例が下の2段の譜例になります。
この構文をネイティブらしく発音できるようになるために必要な要素は残しておきましたが、このままの発音だと唯一「怒り」の表現だけはすっぽり抜けてしまいます。
しかしながら上の譜例をそのまま練習するのはよほど現代音楽やコンテンポラリージャズを聞き込んだ耳でないと不可能だと思いますので、語感とリズムのミスマッチ感を受け入れつつ下の2段の譜例で練習し、そのあと音楽的要素を切り離して発音することをおすすめします。
少々「怒りのフレーバー」も加えていただければよりいっそう迫力が出てくると思います!
[Imai Sensei's Note]
Construction Now !
Please look forward to it !